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あなたは「じゅにゅうブラ」という物をご存じだろうか?
漢字で書くと「授乳ブラ」。
赤ちゃんにおっぱいを飲ませる時に便利なブラです。
ボタンなどが付いていて、ブラを付けたままでも、ポロリできる優れもの。
その「じゅにゅうブラ」を最近手に入れました。
その時の話を書きます。

私は、いつものようにドールのための服を探して、古着屋に行ってました。
私はドール用には、主に古着を買っているのは前に記事にしたとおり。
「ラブドール用の服をどこで入手するか問題」
http://aika773.livedoor.blog/archives/5385932.html

記事にも書きましたが、古着屋は基本的には下着は売りませんが、ブラなどの高価な下着だけ特別に売っていることがあります。
私は、下着は中古では買わない主義ですが、「どんなデザインのがあるかな?」という興味もあって、ブラの売り場に行ってみたのです。
そしたら、そこにありました。
「じゅにゅうブラ」が。
最初はそれが、そういうブラだとは気付きませんでした。
ただ、フリル付きや刺繍付などの高価なブラにまざって地味なブラが売っていて、目を引きました。
しかも、価格がすごく安い。
手に取って値札を見てみると「じゅにゅうブラ」との手書きの記述が。
漢字ではなく、そのままの表記で書かれてました。
「?」
意味が分かりませんでした。
が、10秒ぐらいして「あっ、授乳か」と理解しました。
俄然興味がでました。
おっぱいを吸うためのブラならば、赤ちゃんじゃなくても、おっぱいを吸う必要があるドーラーには有益なのではないか。
そう、我々ドーラーはおっぱいを吸う「必要」があるのだ。
しかもビニール袋の上からさわってみると、ワイヤーがないことも分かりました。
そもそもワイヤーはおっぱいがタレるのを防ぐために入ってますが、ドールには必要ありません。
逆にワイヤーがドールのおっぱいに負担をかけることもあるので、無い方が望ましいのです。
「これは買うべきだ」
女性用の下着を買うのは、多少恥ずかしかったですが、その店では女の子向けの子供服や、大人の女性向けの服も頻繁に買っていたので「家族のためだな。良い旦那さんめ」と思われることを期待してました。
レジの係りが、いつも応対してくれる若い兄ちゃんであるのを確認して、持って行きました。
その他にも、幾つか服を買って、「じゅにゅうブラ」の存在感を薄くする偽装工作も忘れません。
冷静を装ってレジに商品を差し出すと、兄ちゃんの手が「じゅにゅうブラ」で止まりました。
兄ちゃん「お客さん」
私「はっ、はい」
いったい何を言われるのか、ドキドキです。
兄ちゃん「これっ、状態確認をお願いできますか?」
私「はいっ?」
どうやら、「変態め」と指摘されるのではないようです。一安心。
私「状態ですか?」
兄ちゃん「いや、これね、少しニオイがあるんですよ」
私「ニオイ?」
古着屋で売られている商品は基本的に洗濯済みで、ニオイなどあれば、買い取り自体しないはずです。
私「ニオイがある商品なんですか?」
汗臭い、もしくは乳臭い、そんなイメージを持ちました。
ところが、兄ちゃんの答えは意外な物でした。
兄ちゃん「そうなんです。すごく良い匂いがするんですよ」
私「はぁぁぁぁ????」
良い匂いって、意外すぎる。
兄ちゃん「嗅いでみてください」
ビニール袋を開ける兄ちゃん。
兄ちゃん「一応、特殊な状態にある場合は、状態確認をして貰わないと売れない決まりなんで」
で、嗅ぎましたよ、くんすか、くんすか。
兄ちゃん「どうですか?」
私「たしかに……いいニオイです」
それは、柑橘系のやや酸っぱいニオイに、少し甘くて柔らかい匂いを足したような感じでした。
兄ちゃん「洗濯はしてあるとはずなので、柔軟剤か何かのニオイだと思うのですが」
私「洗濯は店でしてないのですか?」
兄ちゃん「基本はお客さんの自己申告です。あきらかに洗濯してないものは買い取りません。ただ、確実だと保証できる訳でもありません」
私「なるほど」
兄ちゃん「柔軟剤のニオイだけではない可能性もあります。もちろん、柔軟剤だけの可能性もあります。柔軟剤も海外の商品などで我々も知らないニオイのものもあるので、判断がつかないのです」
私「乳臭い訳ではないですね」
兄ちゃん「いや、母乳のニオイは、店の者もさすがに分からなくて」
会話の間も、くんすかくんすかしていた私。
はっと気付くと、かなり恥ずかしい状況でした。
店でブラのニオイを嗅ぎ続けるおっさん。
人間としてダメだ。
私「かっ、買います」
兄ちゃん「返品は出来ませんが、よろしいですか?」
私「はい」
赤面しながら、逃げるように買って帰りました。

家に帰ってからも、くんすかしてみましたが、何のニオイなのかは不明です。
もしかしたら、人間ではなく、おっぱいから良い匂いが出るファンタジーな亜人が売ったのかも?
ただ、柔軟剤だけのニオイとはやはり思えませんでした。
人工的じゃない、嗅いでると心が安まるニオイなんですよ。

その後、このままにするか、それとも洗濯してしまうか悩みました。
良いニオイがするとは言え、買ったままというのは少し抵抗がありました。
で、購入から一週間ほどたちまして、決心し、洗濯してレノアもしました。
乾燥して、くんすかしてみましたが、レノオの良い匂いだけがしました。
分かってやったことですが、一抹の寂しさを感じました。
あの良いニオイは、今は記憶の中だけにあります。

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