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先日、大先輩で、すごく尊敬しているドーラーの方と、お話ししました。
(ネット上で、です。リアルで会ったことはありません)

その時にコピードールについて、いろいろお話を聞きました。
きっかけは、あるメーカーの評価についてです。
そのドーラーさんは、若干低めの評価をされていて「なぜだろう」と思って理由を聞いてみました。

「他で、よく似たドールが売られてる」
つまりコピーを販売しているのではないか? というお話しでした。

特に中国系では多いです。
そもそも製造会社が分裂して、その時に型を持ち出して、元会社に断り無く製造してしまうなどの噂もあり、どんどん似たドールが増える傾向にあります。

ほとんどのドールメーカーは、デザイナーが一人で、そのため会社によってドールの造形の傾向も統一されるという話も聞きました。
他のメーカーから、そのドールに似た傾向のドールが販売される場合は、デザイナーの引き抜きなどが無ければ、コピーであろうと。

このアタリで有名なのは、CATDOLLとAXBDOLLです。
確定情報ではありませんが、CATDOLLの生産を請け負っていたメーカーが独自に販売を開始したのがAXBDOLLだと言われてます。
そのため、似たドールがめちゃくちゃ多かったです(現在は、ある程度以上の独自性もあると思います。ただし類似ドールも販売継続中)。

もちろん、「あれが、人気だから当社でも作ろう」ということで、型から作り起こしたコピーも存在します。
見よう見まねで似せたドールもあるでしょうし、もっとお手軽に、製品から型取りしてたりもするので、コピーの定義からは外れません。
中国系で見かける「オリエント風のドール」とか、コレですよね。
国内メーカーのmakepureでも、すごく中国系にコピーされることを警戒している記述を、製作日記で見ます。

そのほかに単純コピーじゃないコピーもあるようです。
たとえば型を改造して、表情をかえたり。
すごく笑顔のまぶしいロ リ ド ー ル があるのですが、一昔前、Amazonでラブドールが普通に売られていた時代から気になってました。
デザインラインとしてはCATDOLL。でも、メーカーは不明。
最近になって、メーカーが判明したのですが、当然ながらCATDOLLではありませんでした。
先輩ドーラーさんの意見としては、型の改造ではないか、と。

あとは、TPEのドールをコピーして、シリコンドールとして販売している所もあります。
シリコンで欲しい人にとっては、選択肢が広がります。
ユーザーにとっては、「良いこと」でもありますが、版権を考えるとアウトです。
コピーは、同じ品質でも、デザイン費用が要らないので、安く作れます。
その分、ユーザーはお得かもしれません。
ただ、それを許してはいけないと思うのです。法的には真っ黒です。
(もちろん、質の悪いコピーも大量にありますから、それを買わされたらメリットなんてありません)

これらの事態は、主に中国の版権意識が変わらないと、どうにもならないように思います。
中国版権ルーズ問題は、「国際化が進めば、改善されるだろう」と私は数年前まで思ってました。
でも、中国は予想もしなかった方向に舵を切ってます。
中国の引きこもりです。
すでに大量の人口と、資源を持つ中国は、他国との貿易をしないで生き残る方向を模索しているようです。つまり鎖国です。
普通は鎖国などすれば、国は弱くなるのですが、中国ほどの人口と資源があれば、可能なんです。
この方向に舵を取った証拠として、香港の弾圧があります。
これまで人権問題で、国際社会から非難されることを避けてきた中国ですが、今年に入ってからは大胆になってます。おそらく鎖国して国際社会の一員はやめるつもりなのでしょう。

このまま進むと、突然、中国が鎖国して、ラブドールが気軽に輸入できなくなる未来も来るかもしれません。
中国ラブドールが、ご禁制品に。
時代劇のギヤマンのように。
そんな未来が、ありえるかもしれません。

話が盛大に脱線しました。
とにかくコピードールは、購入で得する場合もあると思うのですが、法的にはアウトであり、光と闇の側面を持っている。というお話しでした。