up1
↑ご本人が「もっと見せた方が良いよ〜」と言うので、モザイク部分を少なめにした写真も公開します。
ただ、これ以上は無理だよな〜。まあ、この顔は過去の状態(子供時代)なので、よほど記憶の良い人じゃなきゃ、分からないと思うけど。※現在のご本人の顔とは、だいぶ違います。

上記の写真について。
髪だけでなく、眉毛も植毛です。
多くの場合、眉毛の植毛は深く植え込めないので抜けやすく、取り扱いには注意してほしいと、ご本人には伝えてます。
唇は、かなり明るい色に塗られてます。基本は小学生の時を再現しているので、こんなに明るいピンクの唇ではありませんが、血色は大人より良いので、まあ、許容範囲です。

ここからが、今回の本題。
これまでの(1)(2)の記事は、実際の工程を紹介したため、固有の事象もあって、参考にならない部分も多かったと思います。
そこで「オーダーメイドのドールを作りたい」という人に汎用情報をまとめます。

・メーカー
メーカー選びは大事です。
メーカーによって、クオリティに差が出来ます。値段も材質も違います。
私は信用してる販売店が扱ってるメーカーにしたので、「逆から決めてます」が、普通はメーカーから選ぶべきでしょう。
私の場合でも、植毛(オデコを出したかった)が重要でした。MZRDOLLは、この点で問題ありませんでした。
もうひとつ。子供のドールを作る場合は、「子供が作れるか?」も確認しなくてはなりません。通常販売しているドールに子供があれば、オーダーメイドにも対応している可能性が高いと思います。
なお、基本的にサンプル(過去にオーダーメイドで作ったドール)を見ることができるメーカーはないです。そこがメーカー選びを難しくしてます。普通に販売しているドールのクオリティから判断しましょう。
国内だと、オリエントはサンプルを公開してます。

・メーカー(捕捉)
オーダーメイドのドールを受け付けてないメーカーでも、場合によっては引き受けてくる場合があります。
たとえば日本国内のとあるメーカーは、多くの方からオーダーメイドしたい人物を募集して、多人数になったものを引き受けるということをしました。(ただし、オープンな場ではありませんでした)
こちらは、人数が多ければ、量産に近くなるので、価格も下げる設定になってました。
この場合に限らず個人作家に近いメーカー(職人)さんだと、オーダーメイドを受けてくれる場合があるようです。
もうひとつ特殊なパターンをご紹介。
中国のメーカーでは、オーダーメイドした型を流用してよいのなら、受ける。あるいは価格を下げるという所もあります。
つまり有名人(女優やアイドル)なら、その後、量産して商売に出来るということですね。
当然ですが、私の場合には適応されません。
(あなたが作りたいのが、無名でも、ものすごい美人なら、ワンチャンスあるかもしれません)

・販売店
多くの場合は、製造するのは中国のメーカーになります。
技術的には問題無くても、オリジナルの要素や修正などを伝える時に、言葉の問題が発生します。
ここで重要になるのが間に入ってくれる販売店です。
販売店を選ぶ時は、申し込みの前に「過去にオーダーメイドを受けたことがあるか?」を確認しましょう。
経験値の差も、出てくると思います。
私がお願いした「人形のあでやか」さんは、歴史は短い販売店ですが、過去に受けたことがあり、いろいろ事前に教えて貰うことも出来ました。
オークションサイトや中国メーカーの公式でも、オーダーメイドを受け付けている所が有りますが、その場合は、言葉の壁で苦労する覚悟が必要です。

・モデルの資料
これが、どれだけ用意できるかも重要です。
たとえばオリエント工業のような国内でも信頼度ナンバー1の会社(当然ながら日本語が通じる)を選ぶならば、「ご本人」が必要になります。
なぜなら本人をスキャンするからです。
私の場合は、ご本人は居ましたが、「その子供時代の再現」なので、この時点でオリエントは選択肢から消えました。
用意する写真は、とにかく枚数があった方が良いと思います。
絶対に必要なのは、真正面と真横。これが基本になります。
あとは再現して欲しい表情。※これにも真正面と真横があるとベスト。
私の場合は、関係なさそうな「目を閉じた写真」が後で役立ちました(記事その2を参照してください)。
よく知ってる顔でも、写真と粘土造形を見比べたりすることで、何を直せば良いのか分かってきます。
ですから資料は豊富に必要です。
架空の人物を作る場合も、同じように豊富な資料を用意してください。

・チェック作業
モデルの資料を渡してしばらくすると、粘土原型があがってきます。
そのチェック作業では、図や写真を使用して指示をしましょう。言葉だけはダメです。
仮に国内メーカーにお願いしたとしても、言葉だけでは限界があります。
私はPhotoshopで本人と粘土の写真を重ね合わせたり、指示を書き込んだりしました。
画像ソフトがない場合は、紙に印刷して透かしてみたり、チェックを書き込んでから写真に撮って送るなどの工夫が必要だと思います。
繰り返しますが、言葉だけでは、伝わりません。
何度もリテイクを重ねることになったら、それは伝え方に問題があると考えた方が良いです。
販売店を通しているなら、伝え方について相談しても良いと思います。

・OKライン
100パーセント本人を再現は出来ません。
蝋人形だって、ご本人とは微妙に違うものです。
人間を別の素材に置き換えた時点で、5〜10パーセントは似なくなるのです。※個人の感想です。
ただ、最低でも80パーセントは目指して良いと思います。
相手もプロなので、ここまではやってくれるはずです。
粘土造形から実際のドール(シリコンなどに置き換えた時)にも、似なくなることがあります。
この場合は、粘土造形より修正が難しいです。
多くの場合は、塗装(メイク)のみでの対応になります。

以上、普通にドールをお迎えするのとは別次元の苦労があります。
ですが、うまく行った時には、喜びも大きいと思います。
オーダーメイドしてみたい方は、ぜひ参考にしてください。