内容は、著者の蛙野エレファンテさん（自画像がカエル）が、会社が倒産してAV男優になり、業界で、日々、いろいろな出来事に遭遇するのを、日記漫画のように綴ります。
基本、多彩なジャンルの作品に参加していて、「あの作品は、こうして作ってるのか」というのが沢山出できます。

AV男優のランクは、エキストラ→汁男優→男優→トップ男優へとランクアップ
蛙野さんは、汁男優からはじまって、今は男優という感じ。
ちなみに汁男優は「ぶっかけ要員」だと思っていたのですが、お口で抜いてもらう役などもここに分類されるようです。で、私と同じように知らなかった蛙野さんはいきなりお口でされてしまいます。

蛙野さんは、男優だけでなく、ADもやっていて、それもあって業界のいろいろな話が出てきます。
男優としては、「顔出しするか」にかなり悩むのですが、それはそうですよね。
ちなみに家族ばれ（甥っ子）します。顔出す前に。詳しくは漫画で見てください!　理由がすごいので。

かなり多くのエピソードがありますが、私が気になったヤツを上げると……
●特撮
・疑似精子の作り方
お口に発射して口を開くと出てくるヤツとか。バナナジャースをベースに加工した液体を使ってるようです。すごくマズイらしい。
・涙
レイプもので泣く場合は、ローションを薄めたモノを涙として顔に付ける。そうする蒸発しにくい。
・潮ふき
アソコから吹き出すヤツ。股間にホースを繋いで……ほんとうに特撮です。
●女優のアソコが臭くて舐められない
ちなみにロリ女優さん。もしかしたら私も見たことある人かもしれないと思ったら複雑な心境になりました。
●同人AV
プロではなく同人誌のようなAVは、最近ではショップでも普通に売られてますが、それに出演した話も出て来ます。
アニメ顔のマスクを付けた作品とかも。
●プロの技
トップ男優さんになると、一日に何度も射精しなくてはならないので、一回の射精ですべての精子を出さないようにセーブするそうです。すごすぎる!

出てくる多くの人たちも面白いです。
くせ者の監督たち。
現場でよく合う汁男優さん。
現場でアレが立たない新人（後輩）男優。
などなど。

漫画としても読みやすいです。
作者は明らかに漫画のファンで、多くの作品のパロディも出できます。

本作は、ドラマも面白く出来てます。
よくできすぎていて「本当か？」と思ってしまう部分もあります。
特に主人公が男優としてのタブーであるAV女優と付き合う話は、少しドラマティックすぎる気が。

最新7巻では、AV出演強要事件について触れてます。
ただし、一人の現場の人間としての話なので「業界の自粛で撮影がなくなってしまう」ぐらいしか出て来ないのが残念でした。
予告では「出演強要事件」をやる。と大きく書いていたので拍子抜けしました。

その一方で、この事件の話の中で出てくるセリフが印象に残りました。
『定食屋一軒が問題を起こしても、すべての定食屋が自粛したりはしない。だが、AV業界はすべてが自粛となる。それは業界の中が知られていないため、全体として見られてしまうからだ』
これって、おそらくラブドール業界にも言えるでしょうね。
なにか事件が起きたら、業界自体が当事者になる。恐ろしいことです。