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↑時代を感じる古ぼけ感。懐かしい。

以前、コメント欄で教えて貰った小説です。
実は学生時代に読んだことがある作品でした。
今回、家中を探して発見し、再読しました。

「わがセクソイド」
眉村卓先生の昭和49年発行の文庫。※電子書籍にはなってません。
眉村卓先生は、「なぞの転校生」や「ねわれた学園」が有名ですよね。
昔は少年少女向けのドラマの原作にも多数起用されてました。
近年だと奥さんのために毎日短篇を書いた「僕と妻の1778話」も話題になりました。
これは映画も観たな〜。
個人的には、司政官シリーズが大好きでした。宇宙政治SFです。くそ長い。
ツクダホビーからボードゲームも発売されていて、友達と遊びました。
終わるのに一日以上かかる頭のおかしいゲームでしたが(笑)。

あらすじ
未来。人間そっくりのアンドロイドが開発され、一部は男性向けの性の仕事に従事していた。
しかし、それに反対する者も多い。
主人公は、ある切っ掛けがありセクソイドと寝ます。
ユカリという名のそのセクソイドの魅力に取り付かれた主人公。
しかし、セクソイドは定期的なメンテナンスの時に記憶を消されてしまう事実を知ります。
主人公は、愛するユカリを失わないため、彼女を連れ出し(盗みだし)てしまいます。
二人の逃避行は、やがて……。

コメント欄で教えて貰った時に一番に思い出したのは、野良セクソイドのシーン。
各都市にはセクソイド・センターというのがあります(売春宿です)が、そこに運び込む途中でトラックから落ちて野良になったセクソイドの話。
公園で嫌がる男性とセックスをしようとする。
(男性は全員、自分とセックスしたがっていると考えるようにプログラムされている)

今回、本を探していたら、当時私が付けていた読書感想のノートも出て来ました。
その中でも、この野良セクソイドのことを書いてました。
当時の私としては、野良セクソイドと出逢ったら、どうやって家に持って帰って、隠し通すかに頭をフル回転させてました。
バカなだ〜。若造め。
問題は家族の目をどう誤魔化すかです。
人間のフリをさせて、部屋を探している知人として紹介する。
箱にしまって、動かないように言い聞かせて、家族が出かけている時だけ出す。
など。
って、箱にしまうのは、今、ラブドールでやってる方法じゃん。
まったく変わってないよ私。

さて、再読しての感想です。
さすがに古い小説なので、未来を舞台にしながらも、時代感が古いです。
現実の方が変化してしまってます。
おそらくセックス出来るロボットが作られたとしても、現在の社会では大きな町にセンターを作るのは無理です。フェミニストはもちろん、あらゆる人が許さない。
小説の中でも反対する人は出てきますが、その程度ではすまないでしょう。

肝心のセクソイドは、ラブドールの未来の姿として、現実世界に実現しそうな気がします。
個人で所有できるほど安価になるのかは不明なので、センターに出かけて利用するのは、かなりリアルかもしれません。

作り物である女性に恋する話は、無限に書かれてますが、本作は悲劇的な終わり方です。
ただ、悲劇でありながら、ユカリと主人公の間には愛の奇跡と呼べるようなこともあって、救いがあります。
ドーラーなら、ぐっとくる結末でした。
私は、ドーラーとなった今の方が涙腺を刺激されました。
(単に年を取って、涙もろくなったということもありますが)

「読んでみてください」と言うには手に入りにくい作品ですが、もし機会があれば、ぜひ。