
今日は小説「プラスチックの恋人」のご紹介です。
作者の山本弘先生は、SFを中心に活躍されております。
怪獣が実際にいたらどんな世界になるかを描き出した「MM9」シリーズは、ドラマ化もされています。
あとは、と学会(オカルトなどトンデモ本を愛し研究する組織)の会長さんでもありました。
近年、脳梗塞になって、以前のようには作品が描けなくなってしまいました。
それを悲観されて、先日、自殺未遂なども引き起こされてます。
その事件が切っ掛けで、今回の記事を書こうと思いました。
ぶっちゃけると、大好きな先生なんです。
山本先生を応援する意味でも、作品を紹介して、少しでも励ましになればと。
「プラスチックの恋人」
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近未来社会。高度なAI(作中では人工意識=AC)を搭載したアンドロイドが開発され、現実拡張技術を組み合わせることで、外見も好きなようにすることが出来るオルタマシンが出現。
すでにオルタマシンとのセックスも実現している。
しかし、ある企業が未成年者の姿をしたセックスできるオルタマシンを作ったことで巻き起こる騒動、そして事件。
主人公は女性。
彼女はジャーナリストで、この件を取材する中で、ショタのオルタマシンに恋をしてしまいます。
児童買春という観点では、人間ではないので、被害者は存在せず、相手は、そもそも年齢というモノにも意味が無い存在。
果たして、ショタのオルタマシンとの恋は、許されないことなのか?
作者の山本先生は、ロリコンを公言されています。
公言しているが故に、攻撃も受けており、多くの思いがあったでしょう。
この作品では、それらが活かされていると思います。
小説の序盤は、解説が多くて、読み進めるのに苦労しますが、中盤以降はスピード感をもって読めます。
セックス可能なオルタマシンは、知性を持ち、人間についても勉強しているので、会話は面白いし、外見も完璧。セックスのテクニックも人間以上です。
基本は、プラスチェック製のボディとカツラ。それ以外は、現実拡張技術を使用してます。
ですから、人間が専用メガネを外すと、のっぺりしたロボットの姿が見えてしまいます。
このオルタマシンのアイデアは面白かったですね。
実際にロボットによる売春宿がつくられたら、こうなりそうです。
このショタ(あるいは少女)のオルタマシンは、現代の現実世界を意識して書かれてます。
子供に見えるけど、実在しない存在。
セックスの対象としても、被害者は存在しない。
アニメや漫画の規制でよく聞く話ですよね。
オルタマシンによる売春の会社を経営している社長が出てきますが、この人はおそらく山本先生自身です。
若い時に少女のヌード写真集を集めていたが、単純所持が禁止になって捨てた話とか。先生と年齢もかなり符号してそう(物語は近未来なので、社長は初老です)。
この社長さんに主人公がインタビューするシーンは、本当に必読です。
非実在を取り締まろうとする側の意見と反論が、丁度良いバランスで描かれてます。
※先日の記事に書いたスカトロの話は、実はこの小説の中に出できてます。
もうひとつ。非実在であっても規制しようとする黒マカロンという女性が出できます。
この人が最後にヤルことが、まさに現実とすごくリンクしています。
あのロリドールを告発するためにアダルトショップで写真を撮ってきて拡散したあれです。
小説では、もっとすごいことが起きますが、根底はまったく同じ。
小説の方が先に描かれてますが、現実が追いついてしまった。
SFとしては、誇れることですが、ありがたくない内容が現実になったので、先生も心を痛めているかもしれません。
本作は、本当にお勧めです。
ロリドールの規制が叫ばれ、ショタドールが炎上した今、ぜひ読んでみてください。
最後に、先生が自身のブログに書かれた解説のリンクを貼って起きます。
※2024年04月07日修正
アドレスが変更になっていました。
https://hirorin0015.hatenablog.com/entry/2017/12/20/172527
コメント
コメント一覧 (2)
たしかに「黒マカロン」の件もそうですし、現実がすごいスピードで虚構を追い越している気がしますね…
規制論以外にも、バーチャルエンタメの発展もVtuberブームなどでこの本が出た頃よりも遙かに凄まじいことになってますし。
欲望と技術と規制の鬼ごっこループが止まる時が来るのかはわかりませんが、作中のようなカタストロフが来ないことだけを祈ります。
…なんて小難しいことを言ってみましたが、この表紙を見て久しぶりにミーフくんに会いたくなってしまったのでまた引っ張り出して読んでみようと思いますw
再読の機会を頂きありがとうございます。
aika773
が
しました